全日本建築士会・『合格への鍵』講座

このブログは当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者が総合監修します。

平成29年一級建築士設計製図 課題発表 第2報!

平成29年一級建築士設計製図 課題発表 第2報!

平成29年一級建築士設計製図試験の課題が以下のように発表されました。

「小規模なリゾートホテル」

 【要求図書】

  • 配置図(縮尺1/200)
  • 地下1階平面図、1階平面図、2回平面図(縮尺各1/200)
  • 断面図(縮尺1/200)
  • 面積表
  • 計画の要点等

 (注1)「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画

 (注2)パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画

 (注3)斜面地を考慮した建築物の計画

 (注4)車両動線(車回し、車寄せ等)を考慮した外部空間の計画

 

平成29年の一級建築士設計製図試験の課題は、上記のように発表されました。リゾートホテルについての課題は、約30年前の昭和63年にも出題されていますが、今回の課題では、要求図面から地下1階地上2階の小規模なリゾートホテルとされている一方で、近年の社会事象である高齢化現象や環境・省エネルギー上の問題、車社会の到来などについて、計画上の留意事項として注記されている点が、特に留意すべき特徴であると考えられます。

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画について

本課題の対象建築物がいわゆるバリアフリー法に規定する特別特定建築物であることから、車イス使用者等の移動などについて建物内の計画は無論のこと、敷地の建物外の移動についても充分配慮したものであることが必要であるとともに、敷地が斜面である場合には更に敷地の建物外の移動についての工夫が必要になるものと考えられます。

パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画について

パッシブデザインは、近年の環境・省エネルギー上の問題について、設備機器等の使用を極力抑え、建築計画により、日照の活用あるいは抑制、風の流入など、自然現象を出来るだけ活用することによる快適性を目途とする手法で、昨年の設計製図試験でも取り上げられており、当然、建築計画上の重要な評価ポイントとなると考えられます。

斜面地を考慮した建築物の計画について

風光明媚な敷地に建つリゾートホテルにあっては、敷地が斜面である例は多く、本課題の敷地も斜面である訳ですが、斜面の高低差が建物の階高である3~4m程度である場合や、それ以下である場合、それ以上である場合等、様々の場合が想定されます。いずれにしても、自然の地形の掘削を極力少なくし、積極的に、建築計画にいかに効果的に取り入れるかが、大きなポイントとなることは申すまでもありません。

車両動線(車回し、車寄せ等)を考慮した外部空間の計画について

風光明媚な自然の中に位置するリゾートホテルにあっては、マイカー利用の客への対応も重要な要素となりますが、特に、敷地が傾斜地である場合、駐車場の位置、車寄せへの無理のない動線計画が求められます。なお、外部空間の計画としては、建物戸外への人の動線、内部空間との建築計画上の関連等も重要な要素となります。

以上のように、本課題では、本課題の注記事項の様々な視点からの建築計画上の留意点が考えられる訳ですが、対象建築物が良好な景勝地に位置するリゾートホテルであることから、建築計画上、良好な景観を取り入れることへの配慮、周囲の景観に建物が及ぼす影響への配慮が特段に求められることとなります。
本課題では、建築計画力が特に重要な要素となってきている従来の試験の傾向の延長線上にあるとも言えますが、更に従来にも増して、様々の視点からの建築計画上の配慮が求められる課題となる可能性が高く、それだけに、着実な建築計画力を養成することが、確実な合格を得るための必須条件になると考えられます。

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