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全日本建築士会・『合格への鍵』講座

このブログは、原則として毎週金曜日更新を予定しています。当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者が総合監修します。

合格への鍵(第4回) ~建築士事務所に関する重要な規定は何か?~

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第3回で、個人としての建築士が誠実に仕事をすることと、その建築士の属する建築士事務所がしっかりしていることによって社会の負託に答えることが建築士法の基本理念となっていると記しましたが、建築士法に関する試験問題でも個人としての建築士の在り方についての問題と建築士事務所の在り方についての問題とに大別されます。

今回は建築士法における建築士事務所についての規定について、本試験問題を基に考えてみることとします。

 

【問題】次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

  1. 管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括する専任の建築士であるが、当該建築士事務所に属する他の建築士が設計を行った建築物の設計図書について、管理建築士である旨の表示をして記名及び押印をする必要はない。
  2. 建築士事務所の開設者が建築主との設計受託契約の締結に先立って管理建築士等に重要事項の説明を行わせる際に、管理建築士等は、当該建築主に対し、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならない。
  3. 建築士事務所の開設者は、建築主から受託した設計の業務の一部を他の建築士事務所に再委託する場合にあっては、当該設計受託契約を締結したときに当該建築主に交付する書面等において、当該再委託に係る設計の概要、再委託の受託者の氏名又は名称等を記載しなければならない。
  4. 建築士事務所の開設者は、設計又は工事監理以外の業務について、建築主から受託する場合にあっては、建築士法に基づく重要事項の説明や契約を締結したときの書面の交付を行わなければならない。

 

この問題は、平成26年一級建築士法規の建築士事務所に関するいくつかの重要事項を含む問題です。

設問1は、建築士事務所を技術的な面から統括し、管理し、必要に応じて(事務所の開設者と管理建築士とが異なる場合には)事務所の開設者に、建築士や技術者の配置等、事務所の様々な技術的な事項について意見具申しなければならない重要な立場にある管理建築士に係わる設問ですが、設計図書に記名押印するのは、設計を行った建築士の職責の範囲内のことで、事務所の技術的な面について管理をする管理建築士とは直接関係ありませんので設問の通りです。

設問2、3も設問の通りですが、設問2において、建築士事務所の開設者は建築主との設計受託契約に先立って重要事項の説明をしなければなりませんが、重要事項の説明は管理建築士でなくても他の代理の建築士でも差し支えありません。但し、代理の建築士の説明内容についての責任は管理建築士が負わなければならないことになっている点にも注意する必要があります。

設問4において、重要事項の説明や契約を締結するときの書面の交付は、設計又は工事監理の業務の場合のみですので設問4は誤りで、他の業務の場合は必要ないことにも注意しておく必要があります。

 

以上のことからも、建築士事務所において、建築士の行う業務のうちで設計と工事監理は特に重要度の高い業務に位置づけられていると考えることができます。

 

【問題】建築士事務所に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

  1. 建築士は、自らが建築主となる建築物のみの設計等をする場合であっても、建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事(都道府県知事が指定事務所登録機関を指定したときは、原則として、当該指定事務所登録機関)の登録を受けなければならない。
  2. 建築士事務所を管理する専任の建築士が置かれていない場合、その建築士事務所の登録は取り消される。
  3. 管理建築士は、建築士として建築物の設計、工事監理等に関する所定の業務に3年以上従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければならない。
  4. 建築士事務所の開設者が建築主との工事監理受託契約の締結に先立って管理建築士等に重要事項の説明をさせる際には、管理建築士等は、当該建築主に対し、所定の建築士免許証又は所定の建築士免許証明書を提示しなければならない。
  5. 建築士事務所の開設者は、委託者の許諾を得た場合においても、委託を受けた設計又は工事監理の業務を建築士事務所の開設者以外の者に委託してはならない。

 

この問題は平成28年二級建築士法規の問題ですが、この問題にも管理建築士に係わる重要事項が含まれています。

設問1は、建築士法上の無登録業務の禁止ともいわれる基本原則として、法23条の10で「建築士建築士事務所の登録を受けないで、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を業として行ってはならない。」と規定されていますが、他人の求めに応じてでなく、自らが建築主となって設計等を行うことは禁じられていないので、設問1は誤りとなり、他の設問2、3、4、5は設問の通りです。

 

設問2と3は管理建築士についての基本的で重要な設問で、建築士事務所には必ず専任の管理建築士が置かれていなければならず、また、管理建築士となるためには建築士として所定の設計・工事監理等に関する業務に3年以上従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習を修了したものでなくてはならないと規定されています(士法第24条)。

 

設問5は前回でも説明しましたように、上記、士法23条の10により、建築士事務所の登録を受けていないもの(建築士事務所の開設者以外の者)は、設計等を業として行ってはならないこととなっているため、これらのものに元請の建築士事務所は再委託してはならないことになります。

 

建築士法に関する説明は今回で一応の区切りとし、次回は建築基準法関係法令の中で、やはり出題頻度の高い耐震改修促進法について解説することとします。

 

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