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全日本建築士会・『合格への鍵』講座

このブログは、原則として毎週金曜日更新を予定しています。当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者が総合監修します。

平成28年度 二級建築士設計製図試験の総評

建築士試験の講評

- 景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)-

要求図書については、1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、断面図、2階床伏図兼1階小屋伏図、部分詳細図(断面)、面積表、仕上表及び計画の要点等とする。(注)答案用紙には、1目盛が4.55ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。
近年の二級建築士設計製図試験は、特に24年度の見直し以来、高度な建築計画力を問う内容のものとなってきましたが、28年度の試験においては、その傾向が更に顕著な内容のものとなりました。以下に28年度の課題の特徴、建築計画上のポイント等について記すこととします。

1. 敷地の条件

敷地は、北側に6mの道路が接し、南側に良好な景観が望まれ、東側、西側は樹林に囲まれた16m×16mの敷地で、課題の敷地条件としては、比較的素直な条件のものであったといえます。

2. 要求室の条件

週末住宅としては、基本的条件ともいえる居間・食事室・台所(L.D.K)と夫婦寝室、子供室のほかに、ゲストルームと屋内自動車車庫を有するものであり、更にこの課題のメインテーマでもある土間スペースについては、玄関と一体とし、居間と隣接させ一体的に使用できるようにするものとなっています。

以上のような条件は、総じて課題条件として特別なものではなく、よく準備をしていた受験者にとっては、概して取り組み易い印象を与えたのではないかとも考えられます。

なお、要求室についての条件では、近年の傾向として床面積は、大部分の室で面積は指定されずに適宜とされていますが、土間スペースと屋内自動車車庫については、15㎡以上、また、吹抜けは居間部分で13㎡以上確保する事、ゲストルームは8畳(13.2㎡)以上と指定されていることから、3.64m(0.91m×4)×4.55m(0.91m×5)グリッドか、3.64m×3.64mグリッドの組合せを基本としたプランニングが望ましいと考えられます。

3. 土間スペース

土間スペースは、この課題のポイントとなるものですが、課題条件としては、玄関と一体とすること、居間と一体的に使えるようにすることのほかに、屋外活動の準備等、多目的に利用できるものとすると指定されているだけで、概して幅広い条件のものとなっています。

この課題では、以上のような、いわば自由度の高い(受験者が計画上考える余地の多い)条件の土間スペースをどのように建築計画上、配置するかが、合否に大きくかかわるプランニング上のポイントになると考えられます。

4. その他の留意点

本課題において、以上の他に特に注目される留意点としては、居間部分にかかる吹抜の計画と敷地南側の景観への眺望をどのように確保した計画とするかという点です。

特に景観への眺望については、どの室から確保できるようにするかは、2階の浴室から南側の景観が望まれるということ以外は、課題条件では特にふれられておらず、全部の室からの眺望が確保されない場合にどの室からの眺望を優先させるか等、全く受験者の判断に任せられている訳で、以上からも28年度の課題は課題条件そのものは、一見、一般的で単純、素直に思われるものであっても、その中に受験者の高度な判断を要する自由度の高い内容のものを含む、高度な内容の課題であったということができます。

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