全日本建築士会・『合格への鍵』講座

このブログは当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者が総合監修します。

本当の新傾向の問題とは何か?

平成31年度)
―本当の新傾向の問題とは何か?―

近年、いわゆる従来出題されたことのない事項に関する、新傾向・新規な問題が出題されるようになってきて、その分だけ試験の難度が上がってきたともいわれます。

実際、平成18年度の建築士法改正に伴う建築士試験制度の改正の後、一級建築士では平成21年度の試験内容の見直しから、二級建築士では平成24年度の試験内容の見直しからこの傾向が特に顕著となってきました。この傾向は、試験実施機関より試験の内容の見直し点として公表されたものに沿うもので、一級建築士では近年の社会状況の変化や技術の進歩等を反映した従来の出題範囲外からの新規の事項に係わる問題の比率が上昇し、二級建築士においても、このような傾向の一級建築士並みの問題の出題も見られるようになってきました。

しかしながら、もしもこのような結果から試験の問題の難度が顕著に上がったとすれば、合格基準点を大きく下げない限り合格率は大きく下がるはずですが、近年、合格基準点の大きな調整は行われておらず、合格率も特段下がってはおりません。
大方の受験者の皆さんが、まさか、以前にも増して近年、急に超人的な猛勉強をするようになった結果とも考え難いところです。

それでは、以上のような現象についてはどのように考えたらよいのでしょうか。
その鍵は、問題を構成する4枝(一級建築士)ないし5枝(二級建築士)の設問の構成にあると考えられます。すなわち、問題を構成する設問の全てが、新規な設問であれば、一般的には相当に難しい問題ともなる訳ですが、逆に問題中の新規な設問は1のみで、仮に正答となる設問は既に何度も出題されている基本的な設問であれば、むしろその問題は易しい問題ということとなるでしょう。

以上の場合は、極端な場合で、実際には新規な設問と従来出題された範囲内からの設問の割合は種々な場合がある訳ですが、いずれにしても新規な問題と一口にいっても様々な場合があって簡単に難しい問題とか易しい問題とか言えない訳で、近年、新規な問題が増えてきたために試験の問題がそれだけ難しくなったとは、単純にいえないこととなります。

また、以上からも新規な設問を含む問題への対応として、いわゆる新規な設問ばかりに目を向けた勉強は望ましいこととはいえません。
例えば、建築史の相当専門的な新規な設問に対応するために、建築史だけを専門的に懸命に半年勉強していても対応できないかも知れません。

そのためには、以上から先ず新規の設問を含む問題への対応としては、
①その問題中に含まれる従来の出題分野からの設問については確実に解けるようにしておくこと。
②近年の新傾向として出題されるようになってきた従来の出題範囲外からの新規な設問でも、社会的状況の変化、技術の進歩、法改正等を踏まえ、近年の設問として定着しつつあるものについては特に留意して学習しておくこと。
が有効であると考えられます。

【問題】技術者倫理等の用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. アカウンタビリティ」は、一般に、業務や研究活動についての「説明する責任」のことをいう。
  2. 「談合」は、一定の利益を業界全体にもたらすことを目的とするもので、同業種の業者が資本を結合し、共同企業体を設けることも含む。
  3. 公益通報」には、通報先や状況によって、「内部通報」、「行政機関への通報」及び「外部通報」の三つの種類がある。
  4. コンプライアンス」は、一般に、「法令遵守」と訳され、法令・条例等の遵守に加えて企業倫理等の遵守も含む。

技術者倫理に関するこの問題は、平成28年一級建築士試験計画の1問目の問題として初めて出題された問題で、全て新規な設問を含む新傾向の問題といえます。ここで技術者倫理といっているのは建築士法上の倫理規定と関係のある問題と解することが出来ますが、技術者倫理とわざわざいっているからには、近年の社会状況等を踏まえて建築士の枠を超えたさらに広い見地から、技術者として持つべき倫理観を問う問題として出題されたものと考えることができます。

この問題の設問は全て新規な設問から成っており、その意味では難問の部類に入るともいえる訳ですが、実際には正答に当たる設問の「談合」が違法な反社会的行為であることは、大方の人の知るところであることからこの設問は易しいものといえ、この問題は全て新規な設問から成るものであってもむしろ易しい問題であるといえます。

なお、技術者倫理に関する問題は、平成29年度の一級建築士計画の1問目の問題としても前年度に引き続き出題されており、今日、重要視されてきている問題として今後も充分留意しておく必要があります。

ところで、建築士法第2条の2には「建築士は公正かつ誠実に業務を行わなければならない。」法第21条の4には「建築士は信用又は品位を害するような行為をしてはならない。」とも規定されているように、建築士は単に建築士法上の法の条文に定められたことのみでなく、倫理規定的なことをも遵守しなければならないことが定められています。

本来、法は必要最小限のことを規定する下位の社会規範とも呼ばれ、倫理は上位の社会規範とも呼ばれ、別のカテゴリーの社会規範であるものが、法の規定に倫理規定が含まれているのは珍しい例であるとも考えられますが、この規定は上記の技術者倫理と併せて考えると建築士法上の極めて基本的で重要なものであると考えることができます。
ちなみに、建築士法の倫理規定に関する問題は、平成27年一級建築士試験、平成28年二級建築士試験にも出題されており、要注意と考えられます。

「学科強力サポート教材」の有効活用法!(31年度試験合格に向けて)

一級、二級建築士の学科試験合格を目指し、当会の学科系の講座(総合コース)をお申込みされた方に、期間限定特典として差し上げている「学科強力サポート教材」というものがあります。 (現在の受講生のみなさんは、もう既に活用していますね!!)

 

このサポート教材。単刀直入にいえば、

一級であれば84時間分、二級であれば72時間分の、DVDとテキスト教材(問題集、法令集も含む)が、セットになっているものなんです。

ほぼ「1年分の講義時間数」のDVDとなります!

 (※下図の写真のテキストは二級建築士のものですが、一級建築士も同じようなイメージをもっていただければと思います。)

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それでは、この「サポート教材」。

どうやって活用すればいいの?

ちょっと多すぎない?消化不良になるんじゃ??

そんな疑問をもつかもしれませんね。

 

そこで、お答えします!

このDVD教材は、来年1月開講の講座の予習用として活用できることはもちろんですが、

特に、「本試験日の直前までの復習用」として活用することができます!

 

実際に、これまでの受講生からも、

「サポート教材DVDで1年分を先に学習できたことはとてもよかったです。わたしの場合は、実授業と合わせて復習にも活用したので2年分受けた感覚でした。ありがとうございました。」

等の声を多数いただいております。

 

70時間以上もあるDVDですから、全部視聴する時間を確保するのは、とても大変だと思います。

大切なのは、いかに、教材を有効に活用して、「自分に合った学習スタイル」を確立して、そのスタイルを継続できるかどうかです!

 

なので、無理に全部視聴する必要はありません

例えばですが、

  1. ご自身の「苦手な科目や分野のみ」を視聴して、とことん「弱点項目」を無くしていくためだけに活用する!
  2. 通学コースで講義を受けた後、帰宅して、今日学んだ箇所のカリキュラムを確認して「それに該当するDVDを復習として視聴」して、知識を定着させる!
  3. 逆に、毎週の講義の前に、「サポート教材DVDで予習」してから、講義に臨んで、講義自体を「復習の場」として、知識を定着させてしまう!

などなど、いろいろな活用法があるんです。

 

みなさん、それぞれの学習スタイルに合わせた使い方次第で、幾通りにも有効に活用できる!

それが、「強力サポート教材」なんです。

 

すでに当会の学科講座を受講されている皆さんは勿論のこと、これから受験勉強をスタートしようと考えておられる方、この「サポート教材」を自分なりに有効活用することで、日々の学習習熟度が何倍にもアップするのではないでしょうか! 

とにかく、今すぐスタートすることが大切です!がんばりましょう!

建築施工管理技士「合格トピックス講座」第4回 工事管理②

〔No.1〕工事現場の管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.高さが5mの鉄筋コンクリート造の建築物の解体作業に当たっては、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」を選任しなければならない。

2.安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者との連絡を行うとともに、統括安全衛生責任者から連絡を受けた事項の関係者への連絡等を行わなければならない。

3.高さが2m以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、原則として、囲い、手摺、覆い等を設けなければならない。

4.山留め支保工の切ばり及び腹起しの取付けについては、「地山の掘削作業主任者」を選任し、その者に作業の方法を決定させるとともに作業を直接指揮させなければならない。

解説

4.労働安全衛生法第14条令6条より 山留め支保工の切ばり及び腹起しの取付けについては、「土止め支保工作業主任者」を選任し、その者に作業の方法を決定させるとともに作業を直接指揮させなければならない。

正解 4

 

〔No.2〕工事現場管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の地下工事において、海域以外の公共用水域に排出する、建設工事により発生した1日当たりの平均的な排出水の量が50㎥以上であったので、水素イオン濃度をpH9.0以下となるように管理した。

2.既存建築物の解体工事において、石綿含有成形板(その重量の0.1%を超えて石綿を含有するもの)の除去を行うので、石綿作業主任者を選任した。

3.騒音規制法に定める特定建設作業における騒音が、敷地の境界線において、85dB以下となるように管理した。

4.高さが5mの鉄筋コンクリート造の建築物の解体作業に当たっては、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」を選任しなければならない。

解説

1.排水基準を定める省令第1条排水基準より 海域以外の公共用水域に排出する1日当たりの平均的な排出水の量が50m3以上である場合、水素イオン濃度はpH5.8以上8.6以下とする。

正解 1

 

 「工事管理」の中で今回は「安全管理」に関するものを選んでみました。

現場の安全管理体制については、事業所の形態や規模別による違いを学びます。「統括安全衛生管理者」と「総括安全衛生管理者」の違いなどを正しく理解しておきましょう。また各作業では、危険・有害業務について求められる「作業主任者」の専任と役割のほか、過去に出題された重要管理事項に関する基準値なども押さえておかれるとよいでしょう。

www.sekoukanrigisi.jp