全日本建築士会・『合格への鍵』講座

このブログは当会の建築士講座講師が適宜分担して執筆し、当会建築士講座監修者が総合監修します。

8月25日 一級建築士 学科重点対策導入講座 ガイダンス スタート!

重点対策導入講座 ガイダンスが8月25日に実施されます。 f:id:zenchikai:20180816224548p:plain

この導入講座ですが、受講する意義は、この時期から学習をスタートさせることの有用性を理解できるかどうか、が重要です。

近年の学科試験の問題は、

従来の出題範囲外からの問題も少なくないなど、難度が高くなる傾向にあるともいわれていますが、他方、従来何度も出題されてきた基礎的問題の出題も少なくありません。

また、新規の問題が出されるとしても、

実際は、4択の選択肢の中で、新規の設問と従来の出題範囲内からの設問とが混在している場合も少なくなく、以上からも合格を先ず確実にするためには、基礎的知識をしっかり身につけておくことが益々、重要となってきており、また今まで以上に基礎的問題は絶対にとりこぼせないものとなってきているともいえます。

更に、より深い理解力を要する難度の高い問題を解くためには、しっかりした基礎力が不可欠であることは申すまでもありません。

以上のような理由から、

本講座では、特に基礎的知識の把握に時間を要する環境・設備、法規、構造に重点を置いた重点対策導入講座を設けています。

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30年度 一級建築士 設計製図試験 課題の講評

平成30年一級建築士設計製図試験の課題

課題:「健康づくりのためのスポーツ施設」

 

要求図書

1階平面図・配置図(縮尺1/200)

2階平面図(縮尺1/200)

3階平面図(縮尺1/200)

断面図(縮尺1/200)

面積表

計画の要点等

(注1)

健康増進のためのエクササイズ等を行う温水プールのある建築物の計画

(注2)

パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画

(注3)

建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の位置及び防火設備等の適切な計画

防火区画(面積区画、竪穴区画)等の適切な計画

避難施設(直通階段の設置・直通階段に至る歩行距離、歩行経路及び重複区間の長さ、敷地内の避難上必要な通路)等の適切な計画

 

平成30年の一級建築士設計製図試験の課題は、上記のように発表されました。スポーツ施設についての課題は、過去に、平成20年の「ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設」、平成14年の「屋内プールのあるコミュニティ施設」、昭和59年の「健康づくりのための屋内運動施設」等が出題されていますが、いずれも近年の健康増進のための施設の充実が社会的課題となっていることの反映と考えることができます。

 

本年度の課題を考える上での主な留意点として以下のような点を挙げることができます。

 

  1. 本課題の意味

課題名が「健康作りのためのスポーツ施設」となっていることから、この施設がスポーツ競技の選手育成等を目的としたものでなく、この施設は一般の人の健康づくりに役立つ、健康増進のための社会的施設としての役割を担う、場合によっては地域の社会的施設としての役割を有するものであると理解されます。

 

  1. 地域の人々の健康増進の場としての施設

このため、この施設は、単なる身体的なスポーツ施設としての機能を有するばかりでなく、地域の人々の健康増進の場として、スポーツ・健康教室・交流の場等の機能をも併せ持つものとなる可能性があるといえます。

 

  1. スポーツ施設としての機能のための所要室

スポーツ施設としての機能を有するための所要室等としては、概ね以下のようなものを挙げることができます。

  • エントランスホール、フロント・受付

風除室を設け、多人数の利用者のためのスペースを確保し、フロントには受付カウンターを設ける。

  • プロショップ

スポーツ施設で使用する用品を展示・販売する売店

  • 体育館

各種室内競技を行うための天井の高い、大空間を構成する構造計画が必要となり、建物全体の中での建築的な整合性、構造的な整合性が必要となる。

  • トレーニングルーム

ウエイトトレーニングなどの各種の身体運動を行うためのスペースであり、各種運動器具を設置する。

  • エアロビクススタジオ

エアロビクスダンスや体操などを行うために、壁面には大型の鏡を設置する。

  • 屋内プール

プールには、競泳・競技用、遊泳用、医療用などがあるが、一般的に25mの遊泳用プールが多く、気泡浴槽を併設することもある。

また、屋内プールは、天井を高くし、トップライトなどにより、明るく開放的な空間とすることが多い。そのため、屋根の架構には構造的な配慮を要する。

  • 休憩スペース・採暖室(サウナ室)

プールサイドには、休憩スペースを設け、ベンチなどのファニチャーを置く。休憩時に身体を暖める採暖室を設ける場合もある。

  • ロッカールーム(更衣室)・シャワー室

トレーニングルームや屋内プールなどのロッカールーム、シャワー室などは専用に設ける場合と兼用する場合があり、兼用する場合は動線の交差を起こさないように計画する。

  • 便所・パウダールーム

車いすに対応した多機能な便所を、各階の適切な位置に設ける。また、パウダールームを設ける場合も多い。

 

  1. 地域の人々の健康増進の場としての所要室

更に前述のように、地域の人々の健康増進・交流の場等の機能を有する室として以下のようなものが挙げられます。

  • 健康教室(健康増進の知識等を養成するための教室)、交流の場(プラザ)、ラウンジ、カフェ、レストラン等。

 

  1. バリアフリーへの配慮

更に本課題が地域の人々の健康増進の場としての役割を担うものであることからは、幼児や高齢者・身体障害者をも対象とするものとなることも考えられ、このことからは、本施設全体に渡ってバリアフリーに配慮することが必要となることも考えられます。

 

  1. パッシブデザインを取り入れた計画

本課題では、近年の傾向として、平成28年度、29年度の課題でも附帯条件として示されている「パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画」とすることが求められています。パッシブデザインは、建築計画により、出来るだけ設備機器に頼らずに、自然の風力等により、建物の環境の向上を図ろうとするもので、近年の環境・省エネルギーへの社会的関心を色濃く反映したものといえます。

 

―合格の鍵となる着実な建築計画力―

本課題では、平成21年度の試験内容の見直し以来の傾向としての建築計画力が特に重要な要素となってきている従来の試験の延長線上にあるとも言えますが、更に従来にも増して様々な視点からの建築計画上の配慮が求められる、受験者の裁量の余地の多い、自由度の高い課題条件となる可能性が高く、それだけに、着実な建築計画力を養成することが、確実な合格を得るための鍵になると考えられます。

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30年度 二級建築士学科試験の講評

 本年の学科試験の内容は、平成24年二級建築士試験内容の見直し以降の傾向の延長線上ともいえる内容で、一部に、過去の問題の出題範囲外からの新規の設問も見られたものの、総じて、大方の問題は、過去の出題範囲内の事項についてのしっかりした知識と深い理解を有していれば正解に至ることのできるものが多く出題されました。但し、その反面、表面的な付け焼き刃的な知識では解けない問題も多く、従来の出題範囲内の事項について、いかに単なる暗記でない深い理解力と着実な応用力を有しているかが、合否を分ける大きな要因となったものと考えられます。

学科Ⅰ 計画
 計画の各分野別の問題数は、建築史2、環境工学8、建築計画論8、建築設備7で、各分野からの出題比率は例年通りでした。おおむね各分野の問題は、既出題範囲内からの問題が多く、比較的取り組みやすいものでしたが、室内側表面結露防止に関する問題や必要な断熱材の厚さを問う計算問題等、確実な理解力を要する工夫された問題が出題されていたのが注目されます。更に、建築計画論では、老人ホームや保育所の計画上の基準面積や車椅子使用者に配慮した設計上の基準寸法等についての着実な知識を問う問題が出題され、更に、建築設備では、用語に関するやや難度の高い問題も出題されたものの、総じて、既出題範囲内からの標準的難度の出題が多く、学科Ⅰ(計画)の問題の難易度はおおむね例年並みであったと考えられます。



学科Ⅱ 法規
 法規の出題分野は、建築基準法とその他の建築関係法とからなりますが、建築基準法20、その他の建築関係法令5で、例年通りの出題比率でした。本年の出題傾向として注目されるのは、特に建築基準法に関する問題で、政令等の規定についての長文の詳細な設問が目立ち、それだけに、詳細な事項についての系統的に整理された理解に基づく、正確な知識の有無が得点に大きく影響するものとなっています。
 また、建築基準法以外のその他の法令に関する問題で、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に係わる問題や「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に係わる問題や、また、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に係わる問題等、比較的難度の高い問題が出題されていたことも注目されます。総じて、学科Ⅱ(法規)の問題は例年よりやや程度が高いものであったと考えられます。



学科Ⅲ 構造
 構造の各分野からの出題数は、昨年と同様の力学6、各種構造・構造設計13、材料6からなりますが、いずれの分野の問題も、大方の問題は、過去の出題範囲内からの出題で、しっかりした基礎知識、理解力があればおおむね解ける内容の問題でした。ただし、構造の分野は、元来、単なる表面的な記憶だけでなく、理論に対するしっかりした理解力が欠かせない分野であり、特に本年の各種構造・構造設計に係わる問題では、木造・RC造・S造の各部設計や耐震計画において、しっかりした理論に対する理解力と応用力がなければ解けない問題が出題されたこと、更に近年の傾向として、木造の出題比率が高くなる傾向にある中で、木質構造についての問題が前年に続き計3題出題されたことは特に注目されます。なお、材料に関する問題は、おおむね既出題範囲内からの問題でした。以上のように、学科Ⅲ(構造)の問題としては、総じて、既出題範囲内の事項についてのしっかりした理解力と応用力が身についていれば解ける問題が多いことから、着実な理論に対する理解力と応用力が身についているか否かが、得点上の差となるものが多く、難易度はおおむね例年並みであったといえます。



学科Ⅳ 施工
 本年の試験での各分野別の出題数は例年通りで、施工計画・管理・契約5、各部工事18、その他2でした。施工は出題分野が広く、また記憶しなければならないことが詳細な事項も含めて非常に多いのが特徴ですが、施工計画では、近年、出題頻度の多くなってきている環境重視の傾向の一環とも考えられる問題や工事監理の在り方にも係わる請負契約についての問題が出題されたのも注目されます。また、近年、出題頻度の高くなる傾向にある木造に係わる既出題範囲外からの設問を含む問題が2問出題されたのも注目されます。その他の問題でも選択肢に既出題範囲外からの設問を含む問題も多く見られましたが、いずれの問題も既出題範囲内からの選択肢が解ければ、正答に至ることのできる問題が多く見られました。総じて、本年の学科Ⅳ(施工)の問題の難易度はおおむね例年並みであったと考えられます。いずれにしても、施工については、詳細な事項についての紛らわしい設問に対しても正確に解答できるための、広範囲に渡る確実な知識を、現場の経験がない事項についても、着実に整理して身につけておくことが得点のための重要な鍵になるといえます。




●以上から、総じて、学科Ⅱ(法規)の難度がやや高かった以外は、他の科目の難度はおおむね例年並みであったと考えられ、本年の各科目の合格基準点の予測値としては、学科Ⅰ(計画)、学科Ⅲ(構造)、学科Ⅳ(施工)では例年通り13点で、学科Ⅱ(法規)では12点~13点で、合格総合基準点は、例年通り60点となることが予測されます。 近年の傾向として、出題される問題、または問題の選択肢の一部に、既出題範囲外からの設問を含む、いわゆる新規な問題も出題されるようになってきてはいるものの、概して、既出題範囲内の事項についてのしっかりした知識・理解力があれば合格に必要な点を得ることは難しくないと考えることができます。
 但し、近年の問題は、ただ単に表面的な記憶に基づく知識のみでは解けない問題が少なくありません。各科目ごとによってその傾向は異なるもののいかにより深い知識・理解力を有しているか、そして、その上に築かれた着実な応用力を有しているかが重要なポイントとなると考えられます。
 以上から、単に新規な問題に目を奪われた準備や付け焼き刃的な準備ではなく、早期からの計画的な着実な基礎力と応用力の養成が合格の鍵となると考えられます。 

 

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